…こんなことになるなら、もっと早く読み進めておくんだった。
[寝台に腰を下ろし、膝を抱える。
ぽつぽつと、心の中から色んな思いが浮かんでくる。]
こうなってしまうのが解っていたなら、もっと。
色んなことをしておくんだったな。
もっと年頃らしく、お洒落もしてみるんだった。
[口から出るのは、もう叶えられない願い。
苦笑しながら、悔やむ。
最初は仕事を覚えるのに必死で、それどころじゃなかったが。
時を重ねるにつれて、柄じゃないと。
自分には似合わないと、最初から試そうともしなかった。]
……恋とかも、してみたかったな。
[膝に顔を伏せて、小さく呟いた。
後悔で動こうとしなかったカルロスに食ってかかったのは、オーフェンを思ってだけじゃない。
羨ましかったからだ。]