─ どこかの異空 ─
[構えが成り、一呼吸置けたなら一撃を防ぎ反撃する自信があった。
けれど、相手はその間を与えぬ速度で迫ってきて]
……───!
[途中まで上がっていた薙刀の石突を相手に振り下ろしたが時既に遅し。
石突は相手の顔の横を擦り抜け、それが余計に体勢を崩す。
しまった、と思考が過ぎると同時、振り抜かれた太刀が男の胴を薙ぎ払った]
っ がぁ…っ…!!
[身体を後方へと押し出す重い一撃。
紅が飛び散り、足は地面を擦り後ろへとずり下がる。
意地で背から倒れることはしなかったが、腹に受けた傷は足の力を奪い]
───っ、……
[男は片膝を地面に突く形で崩れ落ちた]