─ どこかの異空 ─[すぐ横を掠めすぎる石突きには構わず、無心に振り切った閃は確かな手応えを伝えてくる。片膝つき、崩れ落ちる様子を、太刀を振り切った姿勢のまま、じっと見つめて]……は。[最初に零れたのは、声のような吐息のようなおと、一つ。負けを認める言葉が届けば、ゆるり、太刀は下へと降りて]ぎっりぎり……ちょっとでも、躊躇ってたら、立場逆、だった、な。[途切れがちに言葉紡いだ後、向けたのは、どこかへにゃりとした──けれど、満足げな笑み]