― 第二階層・通路 ―
[それはいつの間にか現れていた。
会話する集団から少し離れた、最後のPMCが消えたその場所に。宿主としていたヒトから眼鏡を外し、冷たい観察者の眸持つ姿で]
………。
[群体のホンの一部が、肩を撃たれた直後に剥がれ落ちていた。
けれどそれがその後どうなるのか。個としての意識を持ったωという存在はもう知る事がない。
死という概念を受け入れているからか、同種の辿る未来にも、宿主であった者の現況にも、特には興味を示さず]
α.
[口元に謎めいた微かな笑みを浮かべながら。
同胞と認め先に散った仲間の名を静かに呼んだ*]