[固い毛が、だが柔らかく頬を擽る。黒を掻き分け、突き刺さる銀のすぐ下、まだほんの少し暖かく思えるその固い皮膚に唇で触れた。愛惜しむように、そこに口付けて―――]せめて、ココロだけはこの子と一緒に………[あなたも望んでくれた子と共にと開いた唇から覗いた鋭い牙が、その皮膚を裂き顔を押し付け肉の中に更に牙を突き立てると、甘い味がしただけどそれを美味しいとは感じない彼は人ではないから。同じだから]