― 広間 ―
[自分の手で殺す、その覚悟はしていた。
もしかしたら、それによって自分の心も壊れたかもしれないが。
それでも、貴族としての誇りと責任を放棄する事が自分にはできないから、実行するつもりだった。
その覚悟は、とっくにできていた筈だったのに――
一緒に居たいと望んだ相手が、死んだと言われて。
操り人形を支える糸が切れたように、がくりと身体から力が抜けた。
回りが見えなくなる。音も認識できなくなる。
死んだと言われた人の、自分を呼ぶ声>>861が聞こえた気もしたが、幻聴だと思っていた。
執事に肩をゆすられるまでは]