[足許はなんだかふわふわとして頼りない心地です。壁に手を突こうとするとすり抜けてしまいました。バランスを崩して転びそうになります。何とか体勢を立て直すことはできましたが、その一連の出来事だけでも、僕の死を逃れようのない現実として突きつけられた気分になりました]……。[泣きだしそうなのを堪えて、無言のまま、ただ歩きます。明確な行き先は分かりません。ただ何となくこちらだ、と感じられる方向に、ひたすら足を進めました]