─宿屋─
それは……俺も同じだ。
活気が戻らない場合は、そん時はそん時だな。
[手をかけた、と言う言葉には一言だけ漏らした。更には何かを覚悟するような言葉を紡ぐ。船大工の親方が戻って来たなら怒鳴り込んで来るのだろうな、とも頭を掠めた]
そうか?
まぁ、おめぇがそうしてぇなら止めねぇさ。
……ああ、そん時はおめぇにも何か聞いてくるかも知れん。
おめぇだけじゃなく、クロエやヴィリー、見習いにも。
[気付いたらしいアーベルに低く声を落としながら頷く。余計なことを言わなきゃ良いが、とも声に漏れた。続いた言葉には僅か不思議そうな色を乗せて]
思い切れなくって、何がだ?