[そうこうしているうちに、ニキータがやってくる。
ベルナルトとのやりとりを眺め、少しばかり、ニキータへと向ける視線が強くなった]
――…怪我、しているだろう。無理を、するな。
[普通の声で会話をしたのは、これがはじめて。
少しだけ眉が寄ったが、いやがっても乗せられたニキータへと伝える。
心配そうに見て。
そしてやがて道が外へとつながったとき、真剣な顔で先に出そうとする]
わたしは、治療した。あなたは怪我をしたばかりだろう、ニキータ。
先に出てくれないと、わたしは出られない。あなたが心配なんだ。
……ベルナルトも、辛いだろう。
繋いで貰った命を自ら失うなど、出来ないから、安心して欲しい。
[とりあえずニキータが出れば、そんなことを言っていてもベルナルトより先に出ろと言われれば従うつもりだった。
が、そんな事態にはならなかったので仕方ない。
外からの声には、心配をかけていると眉が下がったりはしたのだった**]