―宿屋―
……ごめん。
[カヤを選んだのは自分でもある。嫌な役を引き受けてくれた相手への配慮の足りなさに気がつき、頭を下げた]
戻ったら取り立てられて無一文、じゃマズイしね?
[そこは硬いながらも軽口めかせて答え]
…クロエには少しでも思い出させないで欲しい。誰よりも死と直面し続けて辛い思いをしたんだから。
俺が説明引き受けたら、会わせずに済むか…?
[そう甘くはないだろうと思いながらも訊ねる。結社には詳しいだろう相手に向けて。
クロエを守りたい。その思いは今も変わることなく]
…海は特に何があるか分からない。
幸せな生活を奪うわけにはいかないよ。
[不思議そうに問われ、焦点を暈した答えを返した]