[鞘へと掛けられた手を見て、薄紅の両端がつり上がる]これはこれは。得物を手にした相手にも紳士たると?[クツクツと揶揄の声]しかしそれでは詰らない。仕合うのならば、左様な仕儀は無粋というもの。[掌の中、再び変じた刀を握り]吾等にも楽しませておくれ、よ![駆け出した速度は先刻よりも更に上がる。最後の歩で右に軌道をずらし、外から二の腕へ斬り下ろす一撃]