―封護の陣開放直後・館内―
あ、開いた!
[即座にそれを感じ取ることができたのは、外の様子を少しでも探れないものかと気を張っていたからかもしれない。同じように気付いたヒサタカが走り出すのについていこうとして]
っつ!
…情け無いなぁ。
[数歩と走らずに足を止めた。僅か眉を寄せながら]
私も後からちゃんと行くから早く行ってあげて!
それと、神宮司先輩たちもあの子を悪いようにはしないって教えて。
ヒサタカクンの言うことならマリィも素直に聞けるでしょ!
[それが後一歩、間に合わなくなっているとは知らずに。早くマリーのところに行けと促した。
ヒサタカとて言われるまでもなく気が急いていただろう。
その背中を見送って。サキの部屋の扉も開く気配に、少し離れた場所へと移動した]