― 広間 ―
[人が外から来たらしいことは、足音で分かっていた。
けれど、溜息>>858が諦めの合図みたいに聞こえてしまって。もう一度首を振り、力の入らなくなってきた手で胸を押し続けていた。
教会関係者への説明をクレメンスやアマンダに任せるのは申し訳なくもあったが。どうしても手が止められなかった]
怪我人に、無茶を、させるなっ。
[クレメンスが苦しそうな声を上げた時>>791に、ようやく周囲へと声を投げた。
聞こえていないわけではないのかと、何人かの視線が向いただろうか。しかし怒鳴るつもりの声は、掠れて無視できる大きさにしかならなかった]