[唇の動きは少し長くて。読み取れないはずなのに、ただ一言だけは理解できた。多分、一番気にしていた言葉だったから。]おまえな…。[先に言われた事に、少し羞恥が入る。何となく、照れくさくて顔を肩に埋めた。敵わない。そんな言葉が頭を過ぎり。ただそればっかりだと、どうにも自尊心が疼いて。]先言うなよ、俺だって。ちゃんと、水無瀬のことが。[好きなんだからと、耳元で囁いて。瑠衣が戸惑うその隙に、唇を軽く*掠めとった。*]