[外からの恩人のどなり声に、ああまた迷惑をかけていると眉が寄るが。
ニキータの様子を見て、やっぱりこいつ先に出さないと、と。
その意識は強く持っていたので、出ようかと一瞬思ったのは置いておいた。
感知能力に長けた種族、というわけではないし。
網に気付いたのは、捕えられてから。
思わずびくりと身をすくませ、火傷を負った腕を、布の上から思い切り掴み、痛みに漸く正気に返る。
それからこの気は、ユーリーのものだと納得すると、引っ張り出されるのにあらがうわけもない。
ベルナルトが元の姿に戻るのに、ちょっと申し訳なさそうな顔をした。
引きずりだされた中庭で。
文句を言うベルナルトやニキータとは違い、座り込んだまま神妙に頭を下げるのだった]
手間をかけた、すまない。
[なお、オリガの予想>>779はその通りであったが、ニキータの名誉のため困ったように微笑むに留めた]