[隙間を埋めてくれたのは今も彼女から。
村でどれだけ逃げても、諦めず追いかけてきて。
麓で距離を測りかねた時も、構わず目の前に立って。
手の甲に届く温もりに後押しされて、彼女の頬に掌を添える]
……いつだって、こうやって敵わない。
降参だよ、ジットちゃん。俺の負け。
捕まっちゃった。
[口元に浮んだのは苦笑と微笑の間のような。
空いていた腕を回してブリジットを抱き寄せる。
捕まったといいながら、彼女を捕まえ囲うように]
でも泣き顔なんか見られたくないからね。
今はこうしていてよ。
[頬に触れていた手も首の後ろへと回されて、その頭を胸に引き寄せようとした]