―宿屋―
覚悟か…。
[ポツリと呟くのは事件を思い出してか。それとも]
絶対に無いとは言えないから。そういうとこ厳しいんだよ、あの人。
……やっぱそうか。
ああ、お願いするよ親父さん。
それなら俺もギリギリまで残る。何言われようと俺は平気だから。出来る限り、俺の所で済むようにしてくれ。
[少しでもクロエは会わずに、話さずに済むようにと。
グラスから手を離し、真剣な顔でフーゴーに頭を下げた]
……保証なんかないさ。でも。
俺の幸せなんかより、ずっと大切だから。
幸せを奪うかもしれないことなんて、できないよ。
[嘘ではないが。視線はそらしてしまった]