― 中庭 ―[それから、視線はグレゴリーへと向かう。つい今自分で重ねて傷つけた腕については何も言わず、再度頭を下げる。多分無理に立とうとすると心配をかけそうだと、座ったままではある]すみません。ご迷惑を、…ご心配を、おかけしました。[そっと見上げて、恩人の様子をうかがった。言い訳はしない。出るのが遅くなったのは本当のことだから]