[守ってやれなかった。守れなかった。幸せにしたいと願ったのに。二人の人生が不幸ばかりだったとは思いたくないけれど、少なくとも幸せな最期では無かっただろう。娘の成長を側で見守ることなく逝ってしまった妻も、未来を手折られてしまった娘も。]………私ばかりが、生きていても仕方ないのに。[ぱたり。落ちた涙が、床に染み込み痕になる様を見つめながら*独りごちた。*]