─宿屋─
[厳しいと言う言葉には苦笑を漏らした。覚悟についてはぽつりと呟くのをただ聞くのみに]
出来りゃあ、おめぇのところにも行かせたくはねぇけどな。
駄目ならそうさせてもらうわ。
[真剣な表情で頭を下げられると、承諾するように頷いた。視線を逸らし紡ぐ言葉に、小さな溜息が漏れる]
阿呆、まだ奪っちまうとは決まってねぇんだろが。
言っとくがな、後で行動しなかったことを悔やんでも仕方ねぇんだぞ。
その時のチャンスを掴まねぇと、その先手に入らなくなるもんだってあるんだ。
おめぇはそれが容認出来んのか?
もう一つ、場合によっちゃおめぇは相手の意思を無視することにもなったりすんだぞ。
気になるなら、後悔したくないなら、ぶつかって来い。
どうするかを考えるのは、そっからでも遅くはねぇ。