─宿直室─[わかっていた。ゲームが終わっても彼らは戻らないのは。ゲーム終了と共に全てが元通りになるのなら、誠だって生死の境を彷徨うこともなかったろう。それに、自身をしっかり染めている朱も、そのままなのだから。だから彼ら彼女らも、死した者は、死したまま。けれど、慣れ親しんだゲームでは、エピに入れば死んだ者も生き残った者も境無く話せたから。もしかしたら、と思って来てみたのだ、けど。指先に触れる感触は、冷たく硬い、それだった。]