[散る雫は水を留める意識の拡散を示す。限界が近い故に探った筈の隙は最早無意味。意識を天空響く雷鳴に持ち去られたが為に、隙を作ったのはこちらの方]
っつ、!
[赤滲む刃が更なる紅を男の胴から奪い去る感覚と同時、痛烈な痛みが左手に走る>>877。右手の刃を弾かれるのは予想して居た、だからこその左手への衝撃は予想外で逃れる用意などひとつもして居らずにあっさりと弾き飛ばされる]
[視界を焼く雷光は道を失い、直撃する事無く頭上でその力を撒き散らした。けれど。直撃は避けようと其の衝撃は人間の身には大き過ぎる]
…ッ、がはっ!
[仮面の男と丁度真反対へと背中から叩き付けられる。咄嗟に巡らせた水の緩衝材では、致命傷を避けるのが限界で]