[それから、しばらくして自分の元にかけてくる両親がいた]
「エーファ、エーファなのよね?」
[母親は泣きながら抱きついてきて]
『エーファ、よかったお前は無事で』
[父親は安堵の表情を浮かべている。
フォルカーだと聞かされていたヴァルターも、両親がそう呼ぶのならそこにいるのはエーファのほうだったのだろうと思っていただろうか。
自分は、言葉をうまく、返せないでいた]
「そもそも、この子は、神の祝福を受けてるんですから、人狼だなんてありえないんです」
『俺たちさえついていれば、エーファにこんな思いをさせずにすんだのに、すまなかった』
[彼らにとって、大事なもの、それはエーファであって、その言葉にはエーファの身を案じるものしかなかった。
その日はそのまま家に連れて行かれて、ゆっくり休むようにとエーファの部屋に。
埋葬されるエーファの遺体は、フォルカーとして墓に埋められた]