……そりゃ、これから探しに行こうと思ってた相手が、地下から出てくりゃ驚くってのに……。
[冗談めかした言葉にこもるのは安堵。
それでも、下で起きている事態の概要に、蒼は僅かな険しさを帯びて]
……頑張ってるって……。
[紡がれた名は、やや、意外なものだったが。
しかし、今はそれに疑問を感じる余地はなく]
そっか、じゃ、行かねぇとな。
……って、俺は、大丈夫だから、無理するな。
[傷を探すような翼が、いつもよりも小ぶりなのに気づいて眉を寄せつつ押し止めようとする。
自分の傷は、自然治癒するとわかっているから、無理をさせたくはなかった]