─ いつか、先のこと ─[ふわ、ゆらり。夜天にかかる、銀月の。光に抱かれし月のいとし子。銀の獣の姿は少しずつ、ゆらめき、薄れ行く][探す声が聞こえぬわけではなかったけれど。それに答えるは、月の寵が赦すことはなく。銀の獣は、同じいろの光の中。居場所を知りえて訪れるものと言葉を交わすことはあれど。自らを縛る、見えぬ銀の縛の事には触れる事無く──ただ、見送り続け、そして]