―階段―[視線はそらされたけど、手をしっかりと握った。相手は曖昧な力でしか握ってくれないけど、ひどく拒絶されてないことがうれしくて、ぎゅっと握って階段を上った。][屋上の踊り場にたどり着けば、重々しい威圧感のようなものが不意に軽くなった。宮町がエピだ、とつぶやく。そうか終わったんだ、と安堵のため息をついた。彼女に見上げられたからひとつ頷いた。終わったんだと。][宮町が屋上のノブを捻る。アズマは前をむいた。]