……ん。そろそろ、限界、か。[ひらり、はらり。そんな感じで、自分が──自分の存在が、崩れていくのが、わかる]ま……仕方ない、か。[共にある事なく、ただ見守る、という途を選んだ月のいとし子は、月の腕にその全てを委ねる事で、そのための刻を得た。代償は、己が存在。そして代償が尽きれば──後は、崩れて消えるのみ]……仕方ない、とわかってても。……もう一度……。[見たかったな、と思うのは、遠い日に植えた春告げる花。翠はやがて、静かに閉じて。銀は銀へとのまれて────きえた。**]