[ぱしゃり、ぱちゃ。水の跳ねる音だけが、乳白色の帳に落ちて消える。やがて、ふと音が途切れて。見下ろすは己の胸元。思い出すは、見られたくない=にせちち? と素直な瞳で訊いて来た彼の仔]………見聞が広がるのは良いのですが。よもや、あのよな問いをかけらるるとは…困ったこと。[本当に困ったよな口調に反し、その口元は微かに綻んで。機鋼界の知識を生まれながらに得ている彼の仔が、新たな見聞を確かに得ていることを、微笑ましく思っている様子]