俺は、弱いんだ。弱いから、全部疑った。弱いから、何もできやしない。弱いから、何かに頼らないと、生きていけなかった。それで、それは、今も、変わってないんだ。[口に出してみる。自分に言い聞かせた。空には満天の星。ただ、月が明るいから観測には向かない。星の光がかすむのは、月のせいだけではないのだろう。][目元をこすった。再び携帯電話に向かう。彼に何かを言いたかった。でも、どんな言葉を言ったって、今の自分の気持ちをうまく伝えられる自身が無かった。]