[それでも後悔無いと、幸せだったと告げられれば。
老いはしたが昔と同じような笑みを湛えて。]
…ふふ、良かった。
[そう微笑んだ。]
あらまだ根に持ってたの?
[>>799思わず言った言葉が実の所さっくり刺さったのは知っていたが。売り言葉に買い言葉。こちらも謝るまでには時間がかかって。
その後、耳飾に腕輪、ネックレスなど翡翠の指輪より高いだろうという物を時折送られはしたものの、結局指輪は貰えなかったのだから変な意地を張ったものだと、針を見ながらいつも思っていたのだった。
滅多に聞かぬ愛の言葉に、口元の皺は深く刻まれて。
そっと寄り添い、今だ衰えの見られぬ胸に身体を預けて目を閉じた。]