……影輝王?
「イズが、心配してるぜ?
……役目建前に、色々と無理してるんだろう、ってな」
…………。
[冗談めいた言葉に、ほんの少し眉が寄ったかも知れない。
その表情に何を思ったか、影輝王はぽん、と肩に手を置いて]
「『存在故に』逆らいたくなる、その気持ちはわかるが……ま、程ほどにな。
踏み出して、手を伸ばして。
そうして得られるものには……掛け替えないものが多い」
[静かな、諭すような言葉。向けられる貴紫は、静かで。
……何となく視線を逸らしてしまったのは、そこに込められた意味がわかるからか。
伸ばした手、抱き寄せた時に感じたもの。
それが意味する所は、誰よりも自身がよく知っている事だから]