─ 終わりの後で ─
[しばらくの間、自分の身体が埋葬された場に横たわっていた。
身体と魂の繋がりが断たれた以上、同じ場にいる必要はないのだが。なんとなく、自分の居るべき場所はここだと思ったのだ。]
────…。
[記憶も、感情も、どんどんこぼれ落ちていって。じきに自分という存在は消え、次の生へと歩んでいくのだろう。そう思いながら。
向こう岸とこちら側が吊り橋で繋がったことに気づくと、興味が湧いた。]
…………。
[す、す、とワンピースの裾を静かに揺らしながら、吊り橋を渡る。
魂に体重は無いから、吊り橋が軋むことはない。けれど風に吹かれて少しだけ揺れた。]