―後日談/数日後―
[事件が終結して、後始末の煩わしさが非日常を押しやるように時間が過ぎていく。
事件の舞台になった宿は機能停止状態のようなものだけれど、いまさら他に移っても一緒だからと、後始末の事情聴取やらなんやらが終わるまで宿にいるままで。
まあ、食事だけは食堂に取りに行ったりしていた。
そして例年よりもすこしだけ早く、村を立つ日を決めて]
――さて、それじゃあみんなに挨拶してくるかねえ。
[来年、また来るかどうかは決めていない。
外の世界でまつアーベルの親に話しに行かねばならないし。
一つ息をついて、宿の親父に一声かけて宿の外へと出て行った]