─ 山頂 ─[呟きながらも、届かぬもの、と見なしていた願い。それを受けて紡がれた望みに、青に向いていた瞳が僅かに揺らぐ]……元々、喋るのだって苦手だったんだぜ。[眸に宿る穏やかさには気づかぬまま、ぽそ、と呟いた。幼い頃は、大抵姉の後ろに隠れて、話すのも任せていた。ただ、そのまま護られるだけでいたくない、という思いから、少しずつ、動くようになって、今に至る。寂しくて、哀しい。雨の中で泣き濡れるが如き様子は、その評に違和を感じさせなかった]