いーの、まだ学生なんだし。
勉強?ちゃんとやってるよ。進路の事もあるし基本的な事は――っと、ちょっとごめん。
[会話途中で端末の電子音が鳴ったので開くと、テンションの高い声が聞こえてきた。]
『いゃあごきげんようディアマイクライアント。君の財産管理人で弁護士のディーノだ。
恒例の定期連絡だが、喜べ!
この間の資産運用が大成功を納めてこれにより君の資産は前年度比130%増に―――』
まてこら増やすな弁護士!管理だけでいいって言ったじゃん!
ってかこれ以上増やしてどーすんだよ!ただでさえ使い道に困ってんのに。
昼飯一品増やして食後にデザートつけてコーヒー高いの飲んでもおっつかないんだぞ!
[端末越しに文句を言うも、「管理運用全般を任せる」とか契約してしまった為にあんまり取り合ってはくれない。何時もの事だが。
有って困るものでは無いだろう云々言われて、ほぼ一方的な定期連絡は切れた。
溜息つきながら端末を切ると、店主は呆れた様子で。]