[以前にも聞いた、芝居がかった台詞が直に、声として届く。ぎゅ、としばし、悩むように眉を寄せ、それから]……ま、確かにさ。テレーズの声はすげー綺麗で。語りも上手くて、全然澱みなくて。語り部として、理想的なのは、間違いなかった、と思う。可愛げも、あったしな。[唐突に口にしたのは、滅多に口にしない、他者を褒める物言い]でも、さ。俺は、お前の声とか、話し方、好きだ。だから、気軽に話せるようになった、ってのもあったし……。[ここで一度、言葉を切って]