エリカ姉ちゃんには内緒だぜ?
姉ちゃん周りの企業占めてんの。
[手に余る金の使い道に困った挙句、エリカの会社周りの株やら何やらを買い占めておいた。
といっても仕事のあれこれには手を出さず、艦のメンテナンスや整備、裏方部分で悶着起きないように、ほんの少し手を貸しているような状態だったりするのだが。その辺、例の奇抜な弁護士に一任しておくときっちりやってくれてる有能加減は、さすが父親が言うだけはあるなと一応感心していた。一応は。]
あんまり俺がどうこうすると、逆に姉ちゃん怒るだろうし……難しいよなぁ。
[本当はもっと手伝ったり、助けたいとは思うのだが、大金を出すだけは違う気もするし。
悩むように、カウンターに伏すと「若いわねぇ」と笑われた]
…わかってるよ、まだ子供なのは。
[勉強してる身の上じゃ、いい男にはまだまだ足りない。
そうなるための準備期間、だと割り切るようにはしているものの、早く大人になりたいと、逸る気持ちはずっと燻っている。
心の中を見透かしたように、店主に頭をくしゃと撫でられた。
癖のある髪に、よけいに癖がついたが嫌な気持ちにはならない。そういう所はまだ子供なのかもしれない]