ちょっと意地が悪かったかしら。[眼差しを受け、微かに笑った。忠誠を誓う騎士めいた手の甲への口づけに、目を瞠る。約束はそれより、もっと尊いけれど]いつの間にそんなこと覚えたの?気障。……ねえ、言ってなかったことがあるの。ひとつは、あなたといっしょじゃなかったら、最高の歌は歌えなかったこと。最高の演奏は、聴かせてみせるけれど。それから――