[何も言わないアーベルの視線の先を見て、あ、と小さく声を零す。]あああ、大変! ちょっと貸してっ![有無を言わさずアーベルの右腕をとって、具合を調べる。主人の腕を同じように診たことを、ふと思い出した。]大丈夫? 折れてない……よね。[曲げ伸ばしをゆっくりと試して、窺うようにそっと尋ねる。しかしアーベルの意識はそちらには向いていない。それに気付いて、首をかしげる。]どういうこと、って?