― メリルの自宅兼工房 ―
[カップを見ている一瞬は、自分を近くで見ている眼差しの事も忘れていた。
彼女の肯定と続く言葉に瞬いて、ようやくそちらを振り返る。>>953]
僕の……ですか?
[言われて指先でなぞる、鏡がなければ見えぬ位置の褪せた花]
そうだったのですか。
……まるで『死神』の象徴のように思っていましたけれど、本来の花の在り方は、こうして見る人の心を和ませるものですものね。
なんだか、考えを改められた気がします。
[自身の身に宿った蓮華草。
それに対する思いが変わったのは、間違いなくメリルがこうして作品として昇華してくれたからだった。
だから眉尻を下げての説明に、少し寂しげな顔で頷いて]