もう……、ともかく、腕ちゃんと診せて。出血を止めなきゃ。[頭に手を置かれれば、むう、と頬を膨らませる。ポケットからハンカチを取り出して、アーベルの右腕をぎゅっと縛りながら]奇妙? って何が……。[アーベルの言い様に、まだ判らない、というように尋ねかけて――]アーベル。その眼。元に戻ってる。[異常にやっと気付いた。]