― 数日後 ―[人狼の脅威は去り、崩れた道も開放された。けれどいつもと同じ夏は来ない。宿には人の気配が少なく、村を歩いていても何か落ち着かない。使っていない部屋の掃除は時間も掛からず、手持ち無沙汰になる時間が増えた]イレーネさん。[まだ気楽に行ける場所と言えば少女の店か教会くらいで。どうしようかと壁に寄りかかって考えていたら、行商人>>938が旅支度で外に出てきた]……もう行っちゃうの?[いつもなら夏の終わり頃までいることが多いのに、と淋しそうに笑って見上げた]