[己の名を呼んでくれたことに、苦笑はそのままだったが眉間の皺は取れて。ゆっくりと母子へと歩み寄る]……こうやって、また会えるとは思わなかった。会いたかった、イレーネ……──。[手を伸ばせば届く位置。子を挟んでその前に立ち、伸ばした手で零れ落ちる涙を軽く拭ってやる]