[アーベルの青い眼をしげしげと見つめていたが、提示された疑問にはっとした。]ほんとだ。私たち、死んだのに。……死んだよね?[くるりと目を宙に向ける。思い出せる。狼に向けられた爪、哄笑、朱、痛み。目を戻す。]うん、死んだ。[こっくり頷いて。自分の手をぐーぱーさせてみる。そこには確かに、血が通った温かみが感じられる。]何だろうね……。よく判らないけど。でも、悪くない。[肩を竦めるアーベルに笑いかける。]ね、折角元に戻った……みたいだし。どうする?