[そっと、見つからないように、木を削っただけの粗末な槍を手に茂みや物陰を伝い、見覚えのあるものが見え、
作物を育てているらしい、囲われた畑のようなもの]
「ヒトノ…スミカ…?」
[自分たちの作るものよりも囲いもしっかりとしていて、育てているものはよくわからない植物だった。
そこに近づき、感じた気配に振り返り槍を向け]
「ク…クルナ!」
[言葉は通じたのかわからないが、こちらが警戒していることは向こうに伝わっていたことだろう。
あの時彼は、困ったような表情を見せていたような気がする]
『………』
[大人の姿になった男の人のようだが見たこともない格好、何か自分の知らない言葉で話しかけられていた。
怪しい相手のはずだったの、敵意はない、なぜかそう思えた。
だから、彼に促されて、その後についていき……
私の新しい生活が、それから*はじまった*]