[敗北の二歩目は、そのケイコからである。
何と電車がある時間に用事が終わらなかったため、欠席になったのだ。これにより、マリーが部屋代が勿体無いと風呂に浸かっている間に、一部屋にしてしまった。おかげで、何を考えているのかどんなに鈍感な男でもはっきりわかる位に、アプローチを受けてしまった。
そして最後の三歩目は、その全てがマリーの主導による作戦行為だったのである。気づいた時にはすでに時遅し。予約名は「鵬谷久鷹・マリー=鵬谷」という夫婦名で宿帳記入され、ちょっと夕飯にスタミナ料理が多いのも彼女のお願いであり、何より、友人二人に半ば恐怖を与える恐怖の神様(ダイスランダム神)の効果も使い、二人に予定を捻じ込んでいたのだ]