…分からない。
気がついたら、木の上に居た。
そしたら、イレーネが…。
[木の傍まで来ていた、と僅かに困惑の色を乗せる。
いつ己がこの丘に来て、どうしてイレーネに会えるようになっていたのか。
それは全く分からず。
しかし再び会えたことに喜びと同時に申し訳なさが胸中へ浮かぶ]
……すまない。
俺も、ずっと傍に居てやりたかった…。
[それが出来なくなったのは己のせい。
溢れる涙を幾度も拭うも、それが止まることは無く。
己が残した愛する者への傷跡に、胸が締め付けられた。
イレーネを胸に引き寄せようとして、子が泣きそうな様子でこちらを見ているのに気付き]
…この子は、あの時の…?
[優しくイレーネの頬を撫で、涙を拭ってやりながら、己と同じ瞳の子について訊ねた]