[祖父母に母親の実家に連れられて、いろいろな事を尋ねられたが、その殆どに応えられずに黙っていた。
言うなと口止めされていたからだが、本人たちは言いたくないくらいの事があったんだろうと解釈して、それ以上は尋ねてくれなかったのは有りがたかった。
一度だけ、元々父親に対して良い感情を持っていなかった祖父母に、父親が不甲斐ない的な事を言われて、それには首を振って強く反応した。]
とーちゃんは悪くない!ちゃんと、ちゃんと俺の事守っててくれた!
だからおれ、生きて船から下りられたんだ!
[後押しされた事を、今は確信持ったかのように強く言う。]
だから、お願いだから…とーちゃんのこと悪く言わないで…
[祖父母と父親との不仲は子供心に傷ついていて。
泣いてそう頼んだその日から、祖父母は父親の事を悪くは言わなくなった。]