だって?
[問いながら、軽くユーディットの肩を押して、体勢を戻させる。
完全に身を起こして座り直して彼女へと向くと、顎に指をかけ、男のそれより厚みを持った唇の直ぐ下を、親指で、なぞるように撫ぜた。爪先が掠める]
感想は、ね。
こっちのほうが、やりやすいだろ。
[問いのようでいて、答えは待たない。
指先をずらして、笑うように眼を細め、再び顔を寄せる。啄ばむように幾度か口接け、最後には耳許へと滑った]
駄目って言った覚えも、礼を言われる覚えもないね。
後悔しても知らない、とは言ったけど。
[小さく笑う。
耳朶にも触れて、一度音を立ててから、離れた]