>>981[ 周囲の声なんて、とっくに遠い。 足払いの心算の一撃は相手の足にぶつかっただけで、 掬い取る事など到底出来なかった。 投げられた一言に、蟀谷には青筋が浮かんでいたに違いない ]な……っ、[ 躍起になって、すぐ退かなかったのが拙かった。 一瞬、宙に浮くような感覚。 世界がぐるりと回ったかと思った瞬間、背に鈍い衝撃。 頭を打ち付けることはなかったものの、 受身は取れず、息が詰まって、硬く目を瞑り、咳込んだ ]